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2008年2月 4日

見えない死(コーネル・ウールリッチ)


あるパーティで偶然再会したリジーとドワイト。懐かしさだけではない別の感情がリジーに湧き上がる。「彼女はいったいどうなってしまったのか?」ドワイトの妻だった女性バーネットは、ある日突然姿を消してしまっていたのだ!ぬぐえない疑惑をスリリングに描いた表題作「見えない死」を含む6編を収録。

ウールリッチの、独特の表現方法が好きだ。「見えない死」では、閉ざされた扉の向こうにあるものをめぐっての、リジーとドワイトの言葉の駆け引きが絶妙だった。果たして扉は開かれるのか?読み手にも緊迫感が伝わってきた。殺人犯に自分の恋人を人質に取られた刑事を描いた「二本立て」、盲目の老人が巻き込まれた事件を描いた「義足をつけた犬」、自分を死んだことにしてしまおうとする男の運命を描いた「私の死」など、ほかの作品もスリリングで面白い。読後、満足のできる1冊だった。

ゆこりん : 16:04 | 作者別・・こ他