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2008年1月 7日

大川わたり(山本一力)


「借金を返すまでは、何があっても大川は越えられない・・・。」
借金返済のためにひたすら仕事に励む銀次に降りかかる数々の困難!はたして彼は再び大川を渡ることができるのだろうか?

真面目に働いていれば何のことはなかったのに。ちょっとしたことがもとで人生につまづいてしまった銀次だったが、周りの人たちに助けられ支えられてようやく立ち直りのきっかけをつかむ。だが、そのことをよく思わない者もいた・・・。作者お得意のパターンの話だ。人生、時にはしくじることもあるが、コツコツと地道に真面目に努力をすれば、いつかきっと報われる。この作品は、読み手に勇気と力とを与えてくれる。江戸の町に暮らす人たちの人情もほのぼのとして心地よい。読後感もさわやかだった。

ゆこりん : 19:40 | 作者別・・やまもといちりき