« 青年のための読書クラブ(桜庭一樹) | メイン | 悪人(吉田修一) »

2007年9月28日

うちのパパが言うことには(重松清)


家族、自分自身、今の世の中のことなど、身近な視点からさまざまな問題をとりあげ、温かな言葉でつづったエッセイ。

この作品の中には作家としての重松清さんはいない。一人の人間としての重松清さんがいる。何気ない日常の一こまを切り取ったもの、家族のこと、そして自分自身の幼い日の思い出、今の世の中で起こっている悲しい出来事などを、独特の視点で描いている。どの話にも作者の温かな思いが感じられる。「ここに、感動的な作品が生まれる原点がある!」読みながらそう感じた。人間味にあふれた重松さん。彼の存在がより身近に感じられる作品だった。

ゆこりん : 16:56 | 作者別・・しげまつきよし