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2007年7月26日

スロウハイツの神様(辻村深月)


赤羽環に誘われてスロウハイツの住人になったのは、個性豊かな人ばかり。その中には、かつて「チヨダ・コーキの小説で人が死んだ」と非難された小説家の千代田公輝がいた。彼らは穏やかな生活を送っていたが、ある謎の少女がスロウハイツの住人になってから、微妙な変化が現れ始める・・・。

作者の言うとおり、おとぎ話のような作品だった。スロウハイツで繰り広げられる人間模様。そのひとつひとつのエピソードが、心地よく胸にしみる。環が歩んできた人生とは?なぜスロウハイツに友人たちを呼び寄せたのか?彼女の心の奥底に秘められた思いとは?前半のたくさんの伏線が、後半で見事な華に変わってゆく。その過程を泣きたくなる思いで読んだ。
自分らしく、自分の心に忠実に生きることは難しいと思う。でも、少しでもそれができたなら、こんなに素敵なことはないだろう。スロウハイツの住人たちがたまらなく愛しくなる。ラストもほのぼのとしてよかった。疲れた心を癒してくれる、そんな作品だと思う。

ゆこりん : 16:25 | コメント (3) | 作者別・・つじむらみづき


コメント

こんにちはー
最後の章は、ある程度わかっていましたが涙が止まらなくなりました。辻村さんはまだ粗っぽいところがあるのだけどいつも最後は泣かせてくれるのです。
ところでゆこりんさんは「凍りのくじら」はお読みになられたことはありますか?
この作品はその「凍りのくじら」の登場人物が出演しています。この作品が気に入られたのであれば、きっと「凍りのくじら」も気にいられると思いますよ。

最後にこれ自分も5点です(内容的には4・5点なのですが(著者近影の)辻村さんの可愛さでおまけ(笑))。

投稿者 りべ Author Profile Page : 2007年7月28日 15:06

 ゆこりんさん、おはよ~♪
 「スロウハイツ~」私はまだ読んでないんですが、辻村さんの他の作品は読みました。
 「凍りのくじら」も読みました。彼女の作品は登場人物の心理描写とかが細かくて、時にはつらくなったりするんですが、読み出したら止まらない魅力がありますね。
 図書館で予約します(●^o^●)

投稿者 翔ママ : 2007年7月31日 08:28

りべさん、(^コ^)(^ン^)(^ニ^)(^チ^)(^ワ^)
旅行に行っていて、返事がすっかり遅くなりました。
その後、息子も帰省していたもので(^^;
ちょっと甘いかな~と思ったのだけれど、やっぱり
いい話なので5点にしました。
「教えて!何点?」の方、アップしておきますね♪

翔ママさん、(^-^*)/コンチャ!
ほのぼのとしてとてもいい作品でした。
ぜひ読んでみてくださいね。

リベさん、翔ママさん、お二人のおススメの
「凍りのくじら」、ぜひ読んでみます(*^▽^*)

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2007年8月 8日 15:48