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2007年6月29日

回転木馬(柴田よしき)


突然失踪した夫貴之。夫の後を継いで探偵になった唯は、10年後に偶然貴之の姿を目撃した。手がかりを求めて新潟にやってきた唯は、そこで思わぬ事実に直面する・・・。「観覧車」の続編。

やっと続編が読める。この作品を手に取ったときそう思った。なぜ貴之が失踪したのか?その謎がずっと心に引っかかっていた。失踪の理由は、誰もが「こんなものだろう。」と言うような、無難なものにまとめられていたが・・・。それにしても唯のように10年以上も待てるだろうか?どんなに愛していたとしても、その年月は残酷なほど長い。その年月に負けず劣らず残酷な現実も待っていたのに。はたして唯はこれから先、それをどのように受け止めて生きていくのか?新たな一歩を踏み出そうとする唯。唯の本当の物語は、ここからが始まりなのだ。

ゆこりん : 18:43 | 作者別・・しばたよしき