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2007年2月14日

名もなき毒(宮部みゆき)


大企業の会長の娘を妻に持つ杉村は、その企業の社内報を作っている編集部に籍を置いていた。アルバイトに雇った原田いずみという女性の問題で私立探偵の北見と知り合い、さらに女子高生美知香と知り合う。美知香の祖父は、毒物による無差別殺人の犠牲者だった・・・。

毒薬、毒草、毒花、毒キノコ、毒虫、毒蛇など、毒がつくものはいろいろあるが、毒をもつ人間も世の中にはたくさんいるのだとあらためて感じた。この作品の中に登場する原田いずみもまさにその一人だ。嘘をつき自分を正当化する。その嘘は毒となり、相手を深く傷つける。家族も他人も、彼女に関わった人は全て彼女の毒にやられてしまう。本当にこんな人間がいたならどうすればいいのか?いや、実際にいてもおかしくはないのかも。ぞっとする。生きていくうえで私たちは、さまざまな毒に触れていると思う。安全で、きれいなままでは生きていけないのだ。ところで、全然気づかないうちに、自分自身が毒になっているということはないのだろうか・・・?ちょっと不安になる(^^;

ゆこりん : 15:35 | コメント (2) | トラックバック (2) | 作者別・・みやべみゆき

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トラックバック時刻: 2007年3月 2日 21:46


コメント

こんばんわ^^
TBさせていただきました。
何だか怖い作品でした。実際に身の回りにありそうですし。
原田いずみは怖かったですね。
でも、ここまで行かないまでも、こういう人って結構いるのかも・・・とも思っちゃいます。
じゃなきゃ、家族を殺す人なんて、いないはずですから。

投稿者 苗坊 : 2007年2月14日 17:41

>苗坊さん
こんばんは~(*^▽^*)
コメントとTBありがとうございました。
今回はしっかりTBされていました。
ほっとしています。
原田いずみは怖かったです。異常だとしか
思えないけれど、でも実際にもこういう人間が
いそうで怖いです(^^;
今の世の中、何が起こっても不思議じゃないです。
なんだかいやですね・・・。

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2007年2月14日 18:14