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2006年12月31日

使命と魂のリミット(東野圭吾)


夕紀の父親は、大動脈瘤の手術中に亡くなった。手術を担当した医師と母の間には隠された秘密があったのか?夕紀は研修医となって、かつて父を手術した医師西園が勤める病院にやってきたが、その病院に重大な危機が!

人の命を救うための場所である病院に仕掛けられた罠。危機的な状況の中で黙々と命を救うために働く人たち。その描写は感動的だった。人には全うしなければならない使命がある。それは、病院に罠を仕掛けた犯人にもあった。「自分の使命を果たすために何の関係もない人たちを巻き込んでいいのか?」犯人の心の葛藤は続く。
夕紀の父親の死の陰には何があったのか?病院の危機をどのように乗り切ることができるのか?このふたつは、読者を一気にラストまで走らせる。ラストの1行は胸にぐっときた。人としての使命、そして人の本質である魂。どちらを優先するのかを決めるのは、「命」なのだろうか。ずしっとした手ごたえのある、面白い作品だった。

ゆこりん : 23:05 | コメント (2) | トラックバック (3) | 作者別・・ひがしのけいご

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心臓外科医を目指す夕紀... [続きを読む]

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コメント

面白かったですね~。
サスペンスってあんまり読んだ事がないんですが、ドキドキしてました^^
医療の現場のリアルな状態も伝わってきましたし。
東野さんは知識の幅が広いですよね。

投稿者 苗坊 : 2007年4月 1日 13:33

>苗坊さん
こんにちは~。
この作品を書くときに、東野さんはかなり医療と
いうものを調べたんでしょうね。ほんとにリアルでした。
今日「螺鈿迷宮」を読了しました。こちらも病院が
舞台だったけれど、うーん・・・という感じでした(^^;

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2007年4月 2日 14:02