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2006年9月20日

五郎治殿御始末(浅田次郎)


江戸時代から明治時代へ。激動の時代の流れの中、孫と二人で生きる五郎冶。生きることも死ぬこともままならない状況の中、五郎冶はついに孫とともに死ぬことを決意するが・・・。表題作を含む6編を収録。

明治維新。この言葉の裏に、さまざまな悲劇が隠されていた。時代の流れに乗ることのできない人たちの苦悩や悲しみが切々と描かれていて、読んでいてほろりとくるものもあった。中でも「柘榴坂の仇討」は、どうしても過去を断ち切れない元武士の心の苦悩がよく描かれていて、一番印象深かった。どうすれば未来へ目を向けられるのか?男たちの慟哭が聞こえてきそうだった。時代が変わるということは大変なことなのだ。そのことをあらためて感じる作品だった。

ゆこりん : 18:33 | 作者別・・あさだじろう