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2006年4月28日

雪屋のロッスさん(いしいしんじ)


ロッスさん。彼は、望まれればどんなところにも雪を降らせることの出来る有名な雪屋だった。ある日、雪を憎む男が現れたが・・・。表題作を含む30編の作品を収録。

190ページ足らずの本の中に収められた30もの物語。中には、読み始めたと思ったらあっという間に終わってしまったものもあった。だが、短いけれど心にしっかり残る作品も数多くあった。心の奥底を見せられたような気がしてはっとした話、語られる言葉の中に深い意味を秘めた話、、行く末を切なく感じる話・・・。中にはどうしても理解できないものもあったが。
この作品を読んでいると、子供の頃おとぎ話を読んでいた気持ちを思い出す。あの時の感覚とそっくりだ。この作品はおとなのためのおとぎ話と言ってもいいのではないだろうか。いしいしんじの世界を思いっきり楽しめる作品だった。

ゆこりん : 15:43 | 作者別・・いしいしんじ