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2005年12月27日

永遠の1/2(佐藤正午)


田村宏、27歳。職を失い毎日競輪場通いをしていたが、ある日自分とうりふたつの人間がいることを知る。野口と呼ばれるその男と間違われ、殴られたり追いかけられたり・・・。田村は野口と会ってみたいと思い始めるが。

自分にうりふたつの男。その男は田村の知り合い何人もに目撃されている。しかし、田村は一度も会ったことがない。それなのに、野口に間違われ悲惨なめに遭う。野口はなぜ追われているのか?そして田村は野口に会うことができるのか?野口の存在はこの作品を通してミステリアスなものになっている。設定は面白いと思った。だが文庫本約450ページという長さに比べると、ミステリー的要素はわずかだ。ほとんどは田村の怠惰な生活の描写に費やされているような気がする。正直言って読み進めるのがとても苦痛だった。読了後の満足感もなかった。

ゆこりん : 20:16 | 作者別・・さ他