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2005年11月10日

母恋旅烏(荻原浩)


いろいろな商売に手を出したあげく借金返済不能に陥り、夜逃げした花菱清太郎一家。彼らが借金返済のために始めたのは、一度は捨てた大衆演劇だった・・・。

その日の生活もままならないほどの貧乏な暮らし。だが、この一家には暗さがない。「何とかなるさ♪」そんなお気楽な清太郎の性格は、うらやましくもあり、あきれるところもあり・・・。だが、けんかしながらでも一家はまとまっている。そんな感じがした。一家6人のほのぼのとした暮らしや大衆演劇の魅力は、読んでいてとても楽しかった。ラストはまさに「母恋旅烏」。果たして、末っ子寛二の思いは届くのだろうか?届いてないはずはないと思うのだが。

ゆこりん : 16:06 | 作者別・・おぎわらひろし