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2005年10月 3日

デカルトの密室(瀬名秀明)


密室に監禁された祐輔を救い出すため、祐輔の作ったロボットのケンイチは人を射殺してしまう。ロボットとして決してあり得ない、そして絶対にやってはいけない行為だった・・・。人とロボットの違いは?そして心を持つとは?人間の本質にも迫る作品。

体に脳が閉じ込められている。ひとつの体にひとつの意識。このことについて何の疑問も持ったことはない。だが、「なぜひとつの意識しか持てないのだろう?」という疑問を投げかけられたとき、いったいどう答えればいいのだろうか?この作品には、「意識の開放」そして「心」の問題が取り上げられている。ロボットはどこまで人に近づけるのか?そういう問題とからめて描かれている点はとても興味深い。だが、難解だし長い。読むにはかなりの苦労と時間を要した。理解しようとすることに精一杯で、楽しんで読める作品ではなかった。

ゆこりん : 14:52 | 作者別・・せ他