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2005年8月30日
731(青木冨貴子)
細菌戦部隊731の責任者であった石井四郎。彼はなぜ戦犯にならなかったのか?そこにはアメリカの思惑があった。発見された石井四郎直筆のノートや、さまざまな人たちの証言から真相に迫ったノンフィクション。
森村誠一さんの「悪魔の飽食」で初めて731部隊の存在を知ったのは、もう20年以上前のことだった。戦争中、ペスト菌を初めとするさまざまな細菌を用いて人体実験を行なったという事実は衝撃的なものだった。その責任者である石井四郎がなぜ責任を問われなかったのか?そこには、ぜひとも実験結果を手に入れたいというアメリカの思いがあった。戦後処理の一環として731部隊の調査は行なわれた。それは戦後の闇の部分であったと思う。貴重な資料や証言から浮かび上がる日本の戦後。日本人として知っておかなければならないと痛切に感じた。