« 小説以外(恩田陸) | メイン | Good Luck(アレックス・ロビラ フェルナンド・トリアス・デ・ベス) »

2005年5月18日

天国で君に逢えたら(飯島夏樹)


国立がんセンター中央病院に設けられた「手紙屋Heaven」。そこを訪れる人たちは病に侵され、心に悩みを持つ人たちだった。手紙代筆屋で精神科医の野々上純一と、彼に関わる人たちの出来事を描いた心温まる物語。

がんになった人たちの気持ちは、同じ病気にならなければ分からないだろう。作者の置かれた状況を思うと、読みながら切ない気持ちになった。しかし、ひとつの作品として冷静に見たとき、ここに書かれている内容は読者の心には届きづらい感じがする。本当はもっと感動できる話のはずだと思うのだが、描かれ方がいまいちという印象だ。ただ、がんという病気が不治の病でなくなる日が、一日でも早く来てほしいと切実に思った。

ゆこりん : 14:32 | 作者別・・い他