« 天使の梯子(村山由佳) | メイン | ラッシュライフ(伊坂幸太郎) »

2004年11月10日

いとしのヒナゴン(重松清)


ふるさとに帰ってきたノブが目にしたものは、他とは一味違う町長と、合併問題に揺れる町の様子。町を活性化させようと町長のイッちゃんは、約30年ぶりに目撃された「ヒナゴン」を利用しようと思いつく。はたしてヒナゴンは本当にいるのか?そして町の行く末は?

どこにでもある小さな田舎町。その風景はおだやかだ。しかし現代は、そういう小さな町が単独で生き残れる状況ではない。合併か?自分の生まれたところの地名が消える・・・。誰もそんなことは望んでいない。しかし、厳しい現実が目の前にある。ヒナゴンは本当にいるのか?いると信じる心を失わない限り、どんな状況にも立ち向かっていける!そんな気がした。人の心のぬくもりが伝わってくるような、とてもいい作品だった。

ゆこりん : 18:19 | 作者別・・しげまつきよし