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2004年8月12日

四日間の奇跡(浅倉卓弥)

四日間の奇蹟
脳に障害を持つ千織。彼女には天才的とも言えるピアノの才能があった。千織の命を助けることと引き換えに、ピアニストとしての道を断たれた敬輔。二人は訪れた山奥の診療所で、不思議な体験をする。夢のような、そしてちょっぴり切ない物語。

人の心はどこにあるのだろうか?人の心は、つねにその人自身の体とともにあるものなのだろうか?診療所に勤める敬輔の高校時代の後輩の真理子。その彼女の不思議な体験。科学では決して解明できないものがそこにはあった。脳の不思議さ、心の不思議さ。私たちは体の中に、もうひとつの宇宙を包み込んでいるのかもしれない。真理子の心が、真理子の思いが、いつまでも敬輔や千織にそっと寄り添っている。そんな気がしてならなかった。

ゆこりん : 14:18 | コメント (4) | トラックバック (2) | 作者別・・あ他

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トラックバック時刻: 2004年10月 5日 12:28

» [本]浅倉卓弥「四日間の奇蹟」 from Four Seasons
四日間の奇蹟 浅倉 卓弥 / 宝島社以前は将来を嘱望されたピアニストだったが、 留学中の事故で指を失い夢を絶たれた敬輔。 彼は、知的しょうがいが... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年4月21日 19:31


コメント

 スト-リ-よりも登場人物の魅力で読ませる本です。千織、敬輔、真理子の現在と過去、心の内面がとても丁寧かつ綺麗に描写されています。
 この本は『このミス』の大賞に選ばれたため、ミステリ-だと思いこんで読んだ人が多々いるようですが、最初から最後までスト-リ-重視で読んだ人には不評のようです。最初に書いたとおり、この本の最大の魅力は登場人物であり、スト-リ-は重要ではありません。
 この本は賛否両論ありますが、この本を好きになれるかなれないかは真理子の心の葛藤や感動を感じることができるかどうかにかかっていると思います。それを感じ取れた人は読み終えた後、スト-リ-の善し悪しを超越した感動とすがすがしさを得ることが出来たはずです。
 私はこの本を読んで、人がふれあうことの大切さや、身近にいる人の大切さをあらためて知ることが出来ました。そして、変化のない毎日であっても、その一日一日を一生懸命に生きていきたいと思いました。
 最後になりましたが、私はこの本に出会えて本当に良かったと思います。
 

投稿者 BB : 2005年4月 8日 14:29

BBさん、コメントありがとうございます。
真理子の心の葛藤は確かに読み手の心を動かすものが
ありました。ただどうしても東野さんの「秘密」を思い出して
しまい、無意識に比較してしまいました。そのことがこの本に
感じる感動を削ってしまったように思います。そこのところが
とても残念でした。

投稿者 ゆこリん : 2005年4月 8日 18:52

こんばんわ。
すいません、またTBしちゃいました^^;
いい加減覚えろって話ですね。。。すみません。
映画を見てしまっていたので、本棚に入ってはいたのですが、なかなか読む気にならなかったんです^^;
やはり素敵な作品でしたね。
真理子が本当に切なくて。。。
最後の最後が救いだったなと思いました。

投稿者 苗坊 : 2008年4月 2日 23:19

>苗坊さん
こんにちは~♪
TB、ご迷惑をおかけしてすみません!!
スパムがひどくてだめなんです(TT)
真理子、本当に切なかったです(涙)。
映画は観ていないのですが、よかったですか?
どんな風に映像化されているのか興味はあるんですけど。

投稿者 ゆこりん : 2008年4月 3日 13:28