« 嘘をもうひとつだけ(東野圭吾) | メイン | 近藤勇白書(池波正太郎) »

2004年7月22日

オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎)

オーデュボンの祈り
コンビニ強盗に失敗した伊藤は、気がつくと見知らぬ島に来ていた。荻島は150年間、ほかとの行き来をしないまま現在に至っていた。そこに住む人たちの奇妙な行動。そして未来を語るカカシの優午。優午が無残な姿になったとき、島の人々は・・・。

何かを守るために、人は自分自身を犠牲にするときがある。自分の思いを胸に秘めたままで。未来を知る能力は、決してうらやましいものではない。たとえ知ったとしても、未来を大きく変えることはできない。それに、未来が分からないからこそ、未来に対して希望が持てるのだと思う。人は過ぎ行く時の中で、あるがままの運命を受け入れなければならないのだ。優午の心の内に渦巻いていたのは、どんな思いだったのだろう。そして「島に欠けているもの」が分かったとき・・・。ラストは何だか泣きたい気持ちになった。

ゆこりん : 14:39 | コメント (2) | トラックバック (4) | 作者別・・いさかこうたろう

このリストは、次のエントリーを参照しています: オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎):

トラックバック

» 『オーデュボンの祈り』 伊坂 幸太郎 from うさぎの本棚
オーデュボンの祈り Amazonより  コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2004年9月15日 17:02

» 「オーデュボンの祈り」 伊坂幸太郎 from ☆とまとの読書記録☆
この物語に登場する人物は、どの人たちも強烈なキャラクターがあると思います。 そんな特徴的な人たちの現在を作っている過去が、とても興味深く描かれている点がこの作... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年8月20日 10:30

» 小説「オーデュボンの祈り」の感想 from チェック!エンタテイメント
オーデュボンの祈り 伊坂 幸太郎 個人的評価:★★★★☆ 外の世界とはほぼ交流がないという「荻島」に なぜか辿りついてしまった主人公「伊藤」... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年10月 8日 20:41

» 「オーデュボンの祈り」 伊坂幸太郎 from 今日何読んだ?どうだった??
オーデュボンの祈りposted with 簡単リンクくん at 2005. 9. 9伊坂 幸太郎著新潮社 (2003.12)通常24時間以内に発送します。... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年10月27日 20:59


コメント

伊坂氏の作品を続けて読みましたが、これもなかなか面白かったですねぇ~!
最後の最後までひっぱるひっぱる…という伊坂氏の描き方に感激です。
確かにこの島にかけていたものは人生を潤すのに必要なものですね。

投稿者 とまと : 2005年8月20日 10:32

とまとさん、こんにちは~♪
私、この作品の独特の世界が大好きです。
伊坂さんにはますます期待してしまいそう(o^-^o)
TBありがとうございましたm(_ _"m)

投稿者 ゆこリん : 2005年8月20日 13:00