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2004年6月10日

ブラフマンの埋葬(小川洋子)

ブラフマンの埋葬
「夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。」
夏の始まる頃に現れて、夏の終わりに逝ってしまったブラフマン。心にちょっぴり切なさをおぼえる作品。

「創作者の家」と呼ばれるそこには、夏の間さまざまな芸術家が創作のために集まってくる。その人たちの世話をする男のところに、ブラフマンはやって来た。それは、飼い主とペットという関係ではなかった。友情という固い絆で結ばれた者同士だった。心の奥に寂しさを抱えた男と、親にはぐれたブラフマン。お互いがお互いの寂しさを分かっていたような気がする。出会いがあれば別れがある。その当たり前のことが、とてもつらく感じられた。

ゆこりん : 09:48 | 作者別・・おがわようこ