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2004年6月 2日
影踏み(横山秀夫)
家に火を放ち、弟啓二とともに焼死した母。救おうとした父もまた焼死する。一人きりになった修一は、傷害事件を起こし大学も退学になり、やがて刑務所へ。心の中に、死んだ弟の啓二を抱えたままで。
修一は、突然家族を全て亡くしてしまった。そのときから弟啓二は修一の心の中に住みつくようになる。啓二の抜群の記憶力を生かし、修一は逮捕された時からずっと疑問に思っていたことを調べ始める。謎を追う過程で、修一の過去が次第に明らかになっていく。修一と啓二の関係、母の思い、そして父のことも。
話としては面白いが、淡々と書かれすぎているような気がした。人物描写についてもそう思う。事件の背景もちょっとわかりづらい。読んでいて、夢中になれる作品ではなかった。
ゆこりん : 14:17 | 作者別・・よこやまひでお