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2004年2月 7日

ワイルド・ソウル(垣根涼介)

ワイルド・ソウル
日本政府が勧めた海外移住。誰もがブラジルでの生活を、夢と希望にあふれたものだと信じて疑わなかった。1961年、衛藤は妻と自分の弟を伴い、ブラジルに向かう。しかし、そこで彼らを待っていたのは、地獄のような日々だった。衛藤の心に芽生えた日本への復讐の思いは、40年後に大きく燃え上がった・・・。

「移民政策」とは名ばかりで、じつは口減らしのための「棄民政策」だった。ブラジルでの過酷な日々は、衛藤の家族や、一緒に移住してきた家族たちから、大切なものを次々に奪っていく。日本への復讐。衛藤の心にその思いが生まれたとしても、決して不思議ではない。しかし、それを成し遂げたとしても、本当に満足だろうか?悲しみやつらさの記憶は決して消えることはないし、失ったものも戻ってはこないのだ。日本が犯したあまりにも大きな過ち。こんなことが実際に行われていたなんて、とても信じられない。読後、いつまでも苦い思いが残った。

ゆこりん : 16:05 | コメント (2) | トラックバック (4) | 作者別・・か他

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トラックバック時刻: 2004年9月10日 12:37

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トラックバック時刻: 2005年2月12日 07:13

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トラックバック時刻: 2006年7月18日 12:52


コメント

こんにちは。
やっと、やっと読み終わりました。
長かったー。でも、面白かったです。
主人公ケイの乗りが大好きです。
スピード感あふれる内容。
そういえば、スピード狂もいましたね。
この爽快感と疾走感にはまりました。

投稿者 よし : 2005年2月12日 09:19

よしさん、こんにちは~。体調はもう大丈夫ですか?
この本を読んで、実際にこんなことがあったなんて!と驚きました。
でも復讐・・・そこまでするのか!という感じもありました。
復讐したくなる気持ちは無理ないのかもしれないけどね・・。

投稿者 ゆこりん : 2005年2月12日 16:34