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2003年10月18日

月のしずく(浅田次郎)


酒を飲むのが楽しみ、荷を運ぶことしかできない。そんな男の前に、月夜の晩に美しい女性が現れた。彼女は男のアパートへ転がり込むが・・・。表題作「月のしずく」を含む7つの短編を収録。

男と女、母と娘、家族。人と人とのかかわりを切なくしっとりと描いている。平凡な人生を歩んでいるかに見える人間でも、その内部には、他人に理解できないほどの悩みや傷を抱えている場合がある。そんな人達の描き出された心情の一つ一つが、胸を打つ。人はどんな場合でも、歯を食いしばって生きていかなければならない。作者はそのことが、きっとよく分かるのだろう。

ゆこりん : 08:31 | 作者別・・あさだじろう