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2003年9月30日

骨の袋(スティーブン・キング)


ある日突然妻が死んだ。マイクは、妻が妊娠していたことさえ知らなかった。小説もかけなくなった彼は、4年ぶりに別荘を訪れる。セーラ・ラフス(セーラは笑う)と呼ばれるこの別荘でマイクを待っていたのは、妻の思い出だけではなかった・・・。

長い。とにかく長かった。ただひたすら読んだという感じだ。マイクは別荘へ、何かに呼ばれた。人間ではない何かに。その影がマイクのまわりで見え隠れする。そして彼が、ある母娘に会ったことで、事態は急展開を見せる。過去の悲惨な出来事が、現代にまで長く尾を引いている。人の人に対する恨み、憎むべき相手に見せる執念。それは人が人を愛するがゆえに生じる。しかし、人を憎しみから解き放つのも、やはり愛なのだ。ホラーではあるが、人間愛にあふれた作品だった。

ゆこりん : 10:20 | 作者別・・す