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2003年8月 2日
九月の四分の一(大崎善生)
甘くほろ苦い若き日の思い出。小説が思うように書けず、絶望的になっていた僕の前に現れた奈緒。彼女との出会いと別れが、僕に再び小説を書く勇気を与えた・・。表題作を含む4つの短編を収録。
心の奥深くにひっそりと横たわる、過ぎ去った日々の思い出。どんなに望んでも過ぎ去った日々はもどらない。人は時には甘く、時にはほろ苦いその思い出に、心を乱される時もある。独特の透明感のある文章で描かれる追憶の日々は、光のかけらのようにきらめいている。人は過去を積み重ねて生きている。いや、過去を積み重ねなければ生きてはいけない。それがどんなにつらい過去でも、捨て去ることは出来ないのだ。
ゆこりん : 10:22 | 作者別・・おおさきよしお