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2003年5月14日

MISSING(本多孝好)


自殺し損ねた「私」を救ってくれたのは、一人の少年だった。自殺の原因は一人の少女を死に追いやったこと。ぽつりぽつりと語る「私」に、少年はその少女の心の内側に隠された思いを話し始める。「私」は、少年が誰なのかをしだいに感じ始めるのだが。1994年第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む5編の短編を収録。

どの話も不思議な雰囲気を漂わせている。発想は面白いと思った。しかし、表現がわざとらしかったり、乏しかったりしていて、読んでいてのめりこむような感じにはならなかった。内容も、もう少し深みのある方がよかったと思う。全体的にたいくつな印象だった。

ゆこりん : 14:44 | 作者別・・ほ