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2002年12月13日

誘拐の果実(真保裕一)


大病院の院長の17歳の孫娘辻倉恵美の誘拐と、19歳の大学生工藤巧の誘拐事件には、大企業「バッカス」という共通点があった。果たして偶然なのか?この二つの誘拐事件の裏には、何が隠されているのか?

誘拐という事態に直面し、あわてふためく大人たちの姿が哀れでもあり、おかしくもある。自分の利益ばかりを考える大人たち。それを批判的な目で見る子供たち。誘拐は確かに犯罪だが、この二つの事件がもたらした意義は大きい。「誘拐の果実」、この言葉の意味を理解した時、きっとさわやかな感動に包まれるに違いない。

ゆこりん : 11:47 | 作者別・・しんぽゆういち