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2002年9月 7日
夏と花火と私の死体(乙一)
「私、健君が好きなの。」
そう言った時、五月は健の妹の弥生に木から突き落とされ、殺される。「死体を隠さなきゃ。」健と弥生は五月の死体を安全な場所へ隠すため、四苦八苦する・・・。
死体を抱えた兄妹の様子がテンポよく書かれていて面白い。殺された五月が「わたし」という一人称で語るという、今までにない形で書かれているのもユニークだ。この作品は、作者が16歳の時に書かれ、17歳の時に発表されたものだ。当時、作家たちが騒然となったというのもうなずける話だと思った。