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2011年3月16日
背表紙は歌う(大崎梢)
出版社のフレッシュ営業マンの井辻は、営業仲間の久保田という中年女性と趣味を通じ親しくなる。久保田には気がかりなことがあった。それは、新潟県内にある「シマダ書店」が経営の危機にあるということだった。なぜ書店は経営危機に陥ったのか?その書店と久保田との関係は?表題作「背表紙は歌う」を含む5編を収録。
出版業界も書店も、厳しい状況に置かれている。そんな中、井辻は毎日奮闘している。出版業界の内部事情や書店の裏側などを知ることができ、読んでいて楽しい。「背表紙は歌う」では、地方書店のあり方について考えさせられた。地域に根ざした本屋さんになるのにも、いろいろな苦労があり難しい・・・。最後に収録されている「プロモーション・クイズ」では、なぞなぞの答えを真剣に考えてしまった。でも、このなぞなぞの答えは正直言って微妙な感じだ。感心するほどのものではなかった。また、この話の中でなぞなぞを解いた人物に触れている箇所がある。おお!この店員さんは!大崎梢ファンなら、即、分かるはず♪ふんわりとした温かさを感じる、楽しい作品だった。
ゆこりん : 19:30 | 作者別・・おおさきこずえ