« 夜叉桜(あさのあつこ) | メイン | 生還(大倉崇裕) »

2009年8月20日

山の屍(森村誠一)


「君の描く小説は単調で彩りがない。」と言われ、川名純子は自分の作品に彩りを出すために高見友一という男性と一度限りのつき合いをする。その時渡された小説を高見の頼みで自分の書いたものとして発表するが、この作品には実際にあった殺人事件の真相が描かれていた・・・。

なぜ高見友一は、一度限りのつき合いだった純子に自分の書いた大切な原稿を託す気になったのか?それだけではなく、なぜ高額な保険金の受け取り人を純子にしたのか?それまでまったく面識のなかった人間なのに。ラストで述べられている理由ではちょっと納得しきれない感じがする。また、「小説の内容が実際に起こった殺人事件をもとに描かれていて、しだいにその真相が明らかになっていく。」という過程もいまいちな感じだった。展開も単調で、読んでいるうちに引き込まれていくというような魅力に欠けている。疑問と不満が残る作品だった。

ゆこりん : 15:04 | 作者別・・も他