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2008年5月29日

ピンポンさん~荻村伊智朗伝(城島充)


高校1年生のときに卓球を始めて、わずか6年弱で世界の頂点に登りつめた男荻村伊智朗。彼の、卓球にかける情熱の全てを描いた作品。

家族皆が卓球好きなので、荻村伊智朗の名前は以前から知っていた。また、テレビで放映されたので、彼の人生もそれなりに知っているつもりだった。だが、この本を読んで自分の認識不足を痛感した。彼の卓球にかける情熱には、思っていた以上の凄まじさがある。卓球という魔物に魅入られたのか?彼は命を削るようにして卓球に打ち込んだ。けれど、その業績や功績とは裏腹に、彼の生き方に共感できる者は少なかったのではないだろうか?まさに孤高の人だった。現役選手時代の栄光、そして引退後の活躍。どれをとっても並みの人間にできるものではない。小さなピンポン球で世界から国境をなくそうとした志には、頭が下がる。ラケットと球があれば、言葉が通じなくても人はつながっていける。この彼の信念が、ずっと受け継がれていくことを切に願う。卓球を知らない知っているに関わらず、ぜひ多くの人に読んでもらいたい。

ゆこりん : 00:21 | 作者別・・し他