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2001年5月 8日

希望の国のエクソダス(村上龍)


80万人の中学生が学校を捨てた!彼等は情報戦略を駆使してビジネスを展開する。そうして全世界が注目する中、彼等のエクソダス(脱出)が始まった・・。

金融、経済、教育、ネットコミュニケ-ションなど、3年に及ぶ取材のすえ書かれたものだけに、胸に迫るものがあります。どれも現実にはあり得そうなことだからかもしれません。作者の「現代を巡る絶望と希望を書き尽くす」という動機は完璧に表現されているのではないでしょうか。教育とメディア、この二つを考える時、暗澹とした気持ちになるのは作者だけではないと思います。だれもが憂えている問題、それを今敏感に感じ取っているのは、もしかしたら枠にはめられた教育を受けている中学生かもしれません。希望が見えない現代社会。この本は、人はこれから何をなすべきかを問いかける貴重な存在のような気がします。

ゆこりん : 18:53 | 作者別・・むらかみりゅう