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1997年11月12日
沈黙(遠藤周作)
島原の乱が鎮圧されてまもないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入した司祭ロドリゴ。彼は日本信徒たちに加えられる残忍な拷問と、悲惨な殉教を目の当たりにして、ついに背教の淵に立たされる・・・。
日本と西洋の思想の違い、「神の存在」と「神の沈黙」。ロドリゴを通して、キリスト信仰の問題を衝く作品です。彼がキリスト信仰を棄てていく心の過程が、見事に描かれています。人間の心の内面に深く突き刺さる、読み応えのある作品でした。