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2011年2月 2日

ゆび(柴田よしき)


自殺を思いとどまろうとしても、「ゆび」が自殺を促す。「デパートの非常ベルを押したらどうなるか?」そう思いながらためらう主婦の代わりに、「ゆび」がベルを押してしまう。やがて、悪意を持った「ゆび」が大量に現れ、人々を恐怖のどん底に突き落とした!人類に未来はあるのか?

最初はほんのささいな出来事が続いた。やがてそれが「ゆび」のしわざだと分かる頃には、深刻な事態になっていく。少しずつ学習し、人を効果的に死に追いやる「ゆび」。だんだんと人びとがパニックに陥っていく・・・。この発想はとても面白いと思った。けれど、描き方や物語の展開の仕方がいまいちだった。悪趣味としか思えないような描写もあり、読んでいて気分が悪くなった。内容が安易でお粗末過ぎる。もっと読者に訴えかける何かがあってもよかったのではないか?恐怖感も中途半端で、作者の意図も不明。ラストも漫画的で無理やりこじつけた感じがする。不快感だけが残る作品だった。

ゆこりん : 20:08 | 作者別・・しばたよしき