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2009年11月11日

春の嵐(池波正太郎)


八百石の旗本が斬殺されるという事件が起こった。曲者は「秋山大治郎」と名乗って立ち去ったが、大治郎はこの時刻には父小兵衛と夕餉を共にしていた。大治郎を名乗り人を殺めたのは何のためか?その真相を探るべく動き始めた小兵衛たちだが、事件はこれだけでは終わらなかった・・・。「剣客商売」シリーズ10。

大治郎を名乗り人を殺め続ける曲者の正体は?その背後には何があるのか?小兵衛、弥七、徳次郎らが、手がかりを求め奔走する。中でも徳次郎の執念はすさまじく、曲者を見つけ出すためには己の命さえ懸けようとする。また、笹野新五郎、杉原秀、飯田粂太郎なども協力を惜しまない。小兵衛・大治郎父子がいかに皆から慕われているかがうかがえ、人と人との絆の深さには、胸を打たれるものがあった。やがて、徳次郎の努力が実を結ぶ時が!!
さまざまに変化する状況、知らぬ間に迫る危機。いったい秋山父子はどう立ち向かっていくのか?作者の巧みなストーリー展開は、この作品を魅力あるものに仕上ている。最初から最後まで楽しめる、読み応えのある面白い作品だった。

ゆこりん : 18:06 | 作者別・・いけなみしょうたろう