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2006年6月 6日
殺人症候群(貫井徳郎)
「なぜ、こんなにひどい殺され方をしなければならなかったのだろうか?」やり場のない深い悲しみ、そして相手を殺したいと思うほどの憎しみ。人を人とも思わない加害者を抹殺するのははたして悪か?さまざまな問題を投げかける、症候群シリーズ第3作。
未成年というだけで、精神を病んでいるというだけで、殺人を犯してもたいした罪には問われない。数年の後には社会復帰して、何食わぬ顔で普通の生活をする。そんな加害者の姿を見たら、被害者の家族はいったいどう思うのだろうか?まして、加害者側の人間に反省の色が見えないとしたら?おそらく憎しみでいっぱいになるに違いない。それは、相手を殺したいほどの憎しみかもしれない。「法が裁いてくれないのなら、自分の手で。」愛する家族を失った者がそう考えたとしても、それは無理のないことだ。この作品に登場する人たちの心に残る深い傷・・・。それを死ぬまで抱えなければならないつらさは想像を絶する。もし自分がその立場になったなら、「復讐のための殺人はいけない。」とは言えないだろう。何が悪で何が正義か?この作品が読者に問いかけるものは、あまりに大きすぎて重すぎる。とても深く考えさせられる作品だった。オススメです♪
ゆこりん : 15:36 | コメント (4) | 作者別・・ぬくいとくろう
コメント
こんにちは^^
この作品、すごく好きです。
こんなに重い内容なのに読むのが止まらず
すごい勢いで読み終えてしまいました。
貫井作品の中で一番好きな作品です(^^♪
投稿者 かなめ : 2006年6月 6日 16:48
>かなめさん
(^コ^)(^ン^)(^ニ^)(^チ^)(^ワ^)
私も一気読みでした。とても長い作品だったけれど
1日で読み終えてしまいました。
こういうずしっとした内容の本、私の好みなんです。
いろいろ考えさせられることが多くて、読んだ後も
しばらくぼーっと本の内容を思い浮かべていました。
投稿者 ゆこりん : 2006年6月 7日 13:23
これ、一気読み出来るような勢いで読めました。
僕はどんな本でも「ちびちび派」なんですけどね。
読んでいて「うー想像したくねぇ」という箇所も
ありましたが、でもホント、面白かったです。
明治に入って仇討ち禁止令が発令されるまで日本人は
復讐を正義としてきたじゃないですか。赤穂浪士なんて
みんな賞賛してますよ。仇討ち復活~って叫びたくなりました。
改悛の態度が見られない者に対しては復讐を行っても
良いなんて事になったら社会は崩壊しちゃいますね。
遺族の心情を考えると、読んでいて悔しさが込上げてきました。
投稿者 Groovy Catの飼い主 : 2007年4月 4日 12:43
>Groovy Catの飼い主さん
( ^-^)ノ(* ^-^)ノこんばんわぁ♪
「目には目を」的な考え方ではやはりだめ
なんですよね。でも、被害者側の心情は
分からないではないです。
もし自分にとって大切な人が被害にあったら
冷静な気持ちにはなれないと思います。
「必殺仕事人」もそんな感じの番組でしたね。
「恨みを晴らす」
突然思い出しました(^^;
投稿者 ゆこりん : 2007年4月 4日 19:54