« Separation(市川たくじ) | メイン | いま、会いにゆきます(市川拓司) »

2003年10月10日

しゃべれどもしゃべれども(佐藤多佳子)


クラスの連中と対立する小学生、内気なテニスコーチ、無愛想な女性、日頃悪態をつくが肝心なときになると無口になる元プロ野球選手。それぞれがそれぞれの思いを胸に抱いて、落語家今昔亭三つ葉のもとに集まってくる。はたして彼らの「しゃべり」はものになるのか?

ほのぼのとした話。飾り気のない文章だが、作品に登場する人物を巧みに描いていて、とても好感が持てた。人間誰しも苦手なことがある。ここに登場する人物にもある。だが、落語を通して彼らは苦手なものを克服しようとする。その過程、そしてそこに生まれる連帯感、友情。読んでいて心が温まる。実際の日常生活の中に似たような人がいるかもしれない。そう思えるから共感もできる。大事件が起きなくても、人間ドラマは生まれるのだ。

ゆこりん : 08:23 | コメント (2) | 作者別・・さ他


コメント

こんにちは^^
とってもいい話でしたね~。
出てくる人が特徴的で、最初の落語教室なんてどうなる事かと思いましたが^^;
最後が素敵でした。
映画化されますよね。
キャスト、あんまり知らないのですが、観てみたいとは思ってます。

投稿者 苗坊 : 2007年2月 9日 11:49

>苗坊さん
こんにちは~。
映画になるんですか!配役、気になりますね。
調べてみます。
佐藤さんの作品は心温まるものが多いですね。
「一瞬の風になれ」、よかったです~。
ひとつのことに打ち込むことっていいな~と
感じました。

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2007年2月 9日 14:45